アーティストとアメリカ人彼氏との恋 – 理想よりリアルの自分を受け止めて欲しい:Ha-naさん(女性・20代後半)

こんなお話しです

旅行で来日中のアメリカ人とアートで意気投合、すぐ恋人同士に
・彼に会いにサンフランシスコへ・・冬のヨセミテで大切な時間を過ごす
・アーティストである自分と、恋人には等身大で見て欲しい気持ちの難しさ

プロフィール

ご本人女性20代後半Ha-naさん(仮名)
・独身 アーティスト
・海外で出展経験もある実力派
・最近は恋愛に関する作品も手掛ける
お相手男性20代後半・独身 医療系コンサルタント
・サンフランシスコ在住のアメリカ人
・いつも優しくて、ロマンチスト
期間6ヶ月
目次

アーティストとアメリカ人彼氏との恋 – 理想よりリアルの自分を受け止めて欲しい:Ha-naさん(女性・20代後半)

出会い: 音楽の趣味が合う、不思議なアメリカ人

知り合いのアーティストの、ライブというか、小規模だったのでほとんど仲間内が集まるイベント的な感じだったんですが、そこへ行った時に、ひとり知らない外国人の男の子がいたんです。聞くとアメリカ人だそうで、他のお客さんが「全然言葉通じないけど、なんか連れてきたよ!」だそうで(笑)会場が老舗で海外でも有名なところだったので、その子も興味があって来たみたいです。

ライブが終わって、その子も一緒にみんなで打ち上げで飲みに行って、お互いの好きな音楽について語り合ってたんですが、そうしたらその子は私とすっごい音楽の趣味が合ったんです。私もアーティストでかなり詳しいからこそ、好みが合うのって逆にレアで、、好きな音楽が一緒だと、それまでの経験とか考え方も似てくるなと感じることが多いんですが、話していると共感できることが色々あって、私もテンション上がって、めちゃ意気投合したんですよね。そこから仲良くなりました。

彼は観光で日本に来ていて、2週間の滞在だったんですが、その間のかなりの時間を一緒に遊びました。彼のことを更に知る度に、やっぱり人生経験や家庭環境でリンクするところがあって、しかも二人とも元カレ・元カノと最近別れたとかも一緒で(笑)益々惹かれていきました。彼はその元カノとの別れの傷心旅行で、弟と一緒に日本に来たということでした。

この滞在期間の最後の方では彼のことをかなり好きになっていて、別れがすごく辛かったです。。彼は「今度は君がサンフランシスコに来る番だよ!泊めてあげるから!」と言ってくれて、社交辞令かもな・・とは思いながらも「あれ、向こうも思ったより私に興味持ってくれているのかな」と嬉しくなったのを覚えています。

楽しかった思い出: ヨセミテの雪景色の中で

で、3ヶ月後の冬に、本当にサンフランシスコに行きました(笑)それまでの間も、ほぼ毎日連絡とっていて。ただ、当時は私はまだ英語が全然苦手で、重要なことはお互い伝えられるくらいではあったんですが・・。とにかくコミュニケーションがすごく大変でした。彼も、「ごめんね、日本語わからなくて・・」と言ってくれてたりして。それまでも英語は勉強してたんですが、この時にはじめて気持ちを伝えたい!英語を話したい!と強く思いましたね。

1週間滞在したんですが、とても現実感の無い、なんというか、全部が誰かのストーリーを映画を見てるみたいな感じで、一歩引いて捉えられるような感覚になる時間でした。彼の家はサンフランシスコの中心部にあったんですが、とても素敵で、彼の大きな高級車でドライブに行ったり、キャンプしたり、彼のお気に入りのオシャレなレストランに行って、彼の部屋でレコードを聞きながら二人きりの時間を過ごして・・。本当に夢のような1週間でした。

とはいっても、やっぱり人間ですので1週間ずーーっと盛り上がってることはなくて、お互いに少しイライラしたりする瞬間もありました。一番カチンと来たのが、セックスの最中に彼が元カノの話をしたんですよね。それで、「もうやめよ!」となりました。。嫌な気持ちになりますよね、こういうの。男性の方、絶対やめたほうが良いですよ!(笑)

それで、サンフランシスコの1週間の中でも一番印象に残っているのは、その険悪な雰囲気の中で、彼がキャンプに行きたい!と言い出して、ヨセミテに連れて行ってくれた時のことです。冬のヨセミテってほんと死にそうなくらい寒いんですけど、彼はキャンプ慣れしていて、御飯作ってくれたり、滝や森にも行ったりして。で、彼の車で寝泊まりしてたんですけど、朝、一緒に車の荷台でホットコーヒーを飲んだんですね。何かしゃべるでもなくて、すごく静かで、遠くに動物の鳴き声が聞こえて。現実世界から離れて、本来の時間の楽しみ方をしているというか。そういう時間って合わない人ならつまらなく感じるかも知れないですけど、彼とも、ああ、この時間すごい良いね、大切だね、と言いながら、たまに話して、ほとんどが沈黙の中で。彼も、「何もしなくても、この高揚感とか、この時間がどれだけ大切かというのを共有できているね」と言ってくれて、代えがたい時間があの中にありました。

帰国の日。彼もすごい名残惜さそうにしていました。でも、「きっとすぐまた会えるよね」と。「そうだね。」と。

アーティストと個人の間での揺らぎ: 等身大の自分を見て欲しい

彼はロマンチストで、いつもすごく甘いことを語ってくれました。例えば、何か結婚に関する記事を読んだらしいんですが、私に連絡をくれて、「それを読んで思い浮かべるのは君なんだよね」とか。私はもちろん嬉しいんだけど、どこかで多分これは、まぁ想ってくれてはいるんだろうけど、違う瞬間には他の人と遊びに行ってたりするんだろうな、と想像していました。私が彼を想う熱量と彼の熱量は違っていて、私が彼をずっと想い続けていたら、おばあちゃんになっちゃうんじゃないかなって(笑)なので、正直もうそういうことを言うのもやめて欲しかったところもあります。

ただの友達として、共通の盛り上がれる話題を話すのに連絡をとってるなら良いけど、やりとりをする度に言葉の端々に期待させられるようなことを言われて、その分、疲れちゃうんじゃないかなって。もうそういう連絡が来るくらいだったら、いっそ彼のことを忘れたかったです。

きっと彼にとっての私は、少し現実から離れた相手であって、表面的にきれいな関係を保つのが楽しかったのかな、と思っています。チャットとかで話していても、たしかにその時の私と彼の気持ちはその瞬間だけは一致していたかもだけど、その短い時間のチャットが終わったら、彼の心のなかには残っていなくて、霧散しちゃうような気がしていました。

私はアーティストとしては、作品に触れてくれるお客さんは私に対してある程度の理想というか、幻想を抱いていると思うんですね。私の作品って、楽しい〜!っていうよりは、どちらかというと悲しいときに寄り添うような、人を癒やすようなものを作りたいと思って取り組んでいます。なのできっとお客さんも、私の母性みたいな、包み込むような力を私の作品に感じてくれているんじゃなかな。それはアーティストとしては正解だと思うんですけど、でも私が好きな人に対しては、そういう理想像じゃなくて、リアルな私を見て欲しい、一緒に居て欲しいと思うんです。

ちょっと疲れた時に、理想っぽい環境や人がいると、そこに逃げ込みたくなったりすると思うんですよね。美しい時間で現実逃避するみたいな。私が彼にとってのそんな役割をするのが嫌だった。彼とはアーティストとしての私ではなくて、等身大の自分でありたいと願っていたんです。でも、彼は私が辛かったり悲しかったりの話をしても、あまり受け止めてくれてないというか、楽しい話で上書きしてくるような会話になっちゃってたんですよね。

思い返してみると、元カレとかも私がなんだかお母さん的な感じになっちゃってました。「なんでも受け止めてくれるでしょ?」みたいな。その元カレは自分が興味ないことは見ないタイプで、私が興味があっても元カレが興味ないことだったら全然来ないというのがわかっていたから、基本的に向こうに任せていたんですよね。その人と別れてからは、私に過度に寄りかかってきたり、優しさを要求してくる人よりも、精神的に自立している人が良いな、と思ってました。

その点、アメリカ人の彼は、良い意味で少年みたいなところもあって、でも考え方もしっかりしていて、好きなことも共有できて、そういうところに惹かれていたんだと思います。それでも、彼の中の理想で居続けることが、どこか寂しくもありました。

辛かった思い出: 彼が話したい時にしか話せない・・

単純に、会いたい時に会えないのが辛かったです。やりとりはSkypeでしていて、チャットしたり画面越しに話している時は楽しいんですが、リアルにそこにいるわけではないから、Skypeを切ったあと泣けてきたりしてました。彼は楽しそうなんだけど、終わったら寂しい。それに、彼はいつも楽しいを共有したがって、悲しいとか辛いを共有させてもらえない。やっぱり好きになったら、私自身を見てほしいというのがあるから、私が悲しんでいて、彼にとって美しい状態じゃない姿も見て欲しいという気持ちがある。だから、そういうときには一緒に居てくれなくて、こちらから連絡しても痛みや辛さが伝わりにくくて、、リアルに一緒にいたらわかるようなこともわかってもらえなくて。

画面越しでも伝えようとはしたんですけど、やっぱり全部が彼のタイミングで、彼が話したい時に話す。たまにこちらから連絡してもそっけなかったり。それで、私の中では「やっぱり、そっかー・・」となっていました。彼の中では自分はファンタジーなんだろうなと。で、そこに対して私がリアルを伝えようとしすぎると、彼の幻想を打ち破ってしまって、もう話せなくなっちゃうんじゃないかな、という怖さもあったかも知れません。

印象に残っているえっち: 優しくて少年っぽい彼

彼とはじめてセックスしたのは、彼と日本で出会ってから1週間くらいのときでした。私の自宅近くで一緒に飲んでて、深夜になって、全然良い店も開いて無くて、しゃーないかーって感じで。話も盛り上がってて、いま帰すのも違うかなってなって、うちに上げるしかなくて、やっぱり私も一緒に居たいなと思って。

セックスはとても大事です。よく言う相性っていうのはあると思うんですけど、でもそれってどうにでもなる。想う気持ちがあれば、ほんとどうにでもなる。やっぱり、どれほど気を使ってくれているか、大切にしてくれているかとかが出ると思っていて、ある程度想ってくれていたら気遣いもするし優しくもするじゃないですか。お互いが楽しめるような追求をするというか。そういうのが大事だと思っています。

彼とのセックスは、ぶっちゃけすごい良かったとかは無いんですが、普段もセックスもその時間全てが楽しかったし、スキンシップみたいな感じでした。彼はセックス中にとりたてて優しいとかもなくて、いつもどうりでした。というか、いつも優しかったから、行為中も優しいし、ただ少し少年っぽくはなってましたね。純粋に楽しいんでくれている印象でした。

実は私は潔癖症で、人に触れられること自体が嫌なんですよね。「この人とはもうこれ以上したくない」と一度でも思ってしまったら、本当にできないんです。お願いですからやめてくださいみたいな(笑)だから私にとって、そもそもセックスを最後までできること自体レアだったりします。もちろん、フィジカルな清潔感のラインを超えてきてくれているかとか、ちゃんと自分の体に気を使えている人かというのもあるんですけど、それ以上に信頼できるかどうか、尊重してくれるかとか、そういうところでできるできないのラインがあるんだと思います。

別れ: 彼の理想であり続けることよりも

ある時、Skypeを切った後、いつもどおり寂しくなりました。その時もいい感じの雰囲気でお話してたんだけど、「じゃあそろそろ切ろうか〜」って終わって、その後で彼にメッセージをしたら、もうそっけなかった。ああ、私との時間は終わって、元の彼の世界に戻っていったんだなと。彼は私との時間でそこは満足して、僕は心の栄養を得ました。なので終わり。みたいな。その会話の前日、彼は私にメッセージをくれて、さっきも言いましたけど、結婚に関する記事を読んで私を真っ先に想ってくれたと言っていて、私はすっごい楽しみにしていたんです。何か彼の中で覚悟を決めてくれたのかなと思って。でも実際お話してみると、全然そんな感じではなく、やっぱり一時の楽しみとして話したかっただけなんだなとわかって、それならこれを続けても未来があるわけでも無いし、こういうことを言われ続けて期待し続けるだけなんだったら、全部やめようと考えました。

それで、その日のうちに彼に連絡しました。私はあなたのことが好きだけど、あなたはそうやって連絡してくれるけど、きっと私に対して本気じゃないと思うし、だったらもう期待させるようなことを言わないで欲しい、と伝えました。彼は、それなら後で話し合おうとメッセージをくれたんですが、それから話すことはなくて、それが最後のやりとりでした。

その後: 自然体の恋愛を

彼のことはすごく好きでしたけど、それでも新しい恋愛を探そうと思って、マッチングアプリとか少し試してみたんですけど、なんだか私の母性に期待してるような男性ばかり集まって(笑)焦らずゆっくり探してみようと思います。

私はアーティストなので、その立場での私はみんなの理想であるべきだと思います。でも一方で好きになった人には、リアルの私を受け止めて欲しいな、と思います。そういう等身大の、私が自然体でいられる恋愛を探していきたいです。

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