こんなお話しです
・かわいいと思ってアプローチした後輩が彼氏持ちだった!でも両思いに
・幻想的な雪景色の中、身を寄せ合って二人っきりのデート
・夢を全て捨てて就職活動するも振られちゃったので、「ドM飲み」でストレス解消
プロフィール
ご本人 | 男性 | 20代前半 | やすのりさん ・独身 芸術学科の大学院生(当時) ・バンドマンとしても活動 ・現在は30代 大手企業の音楽クリエイター ・背が高く長髪の中性的な容姿で、静かな雰囲気 | |
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お相手 | 女性 | 20代前半 | ・独身 大学生(やすのりさんの2才年下) ・彼氏持ち(やすのりさんとは別に) ・ショートカット / 顔立ちハッキリでかわいい ・文系サブカル少女 / オシャレな古着を着てる感じ ・独特の世界観があって、いつも何か考えてそう | |
期間 | 3ヶ月 |
3ヶ月の幻想的な恋愛 – 夢を仕事にするきっかけをくれた:やすのりさん(男性・20代前半)
出会い: 彼氏持ちだったけど隠れてお付き合い
当時、僕は京都にある大学の大学院生で、ビジュアル系バンドもやりつつ、「人の美的感覚はどうやってに形成されるのか」を明らかにしていく研究をしていました。同い年の友達はみんな就職してましたが、僕は研究も好きだし、そのまま学問の道を進んで教授になるか、もしくはバンドなど音楽で食べていきたいと考えていました。どちらも難しいチャレンジでしたが、そんな夢を追っていた時に彼女と出会いました。
院生は教授の助手として学部生向けの授業にも参加するんですが、彼女はそのうちの一つの授業に出席している子でした。初めて見かけた時から可愛い子が居るな〜と、少し意識していた程度だったんですが、なんとなく言葉を交わすようになっていきました。もちろん助手と生徒という関係なので、例えば「このプリント忘れちゃったんだけど、新しいのくれませんか?」とか、そうした事務的な会話をするくらいでした。
その年の最後の授業の時、喫煙所の前をたまたま通り過ぎた時に、あ、あの子いるなと。お互い喫煙者だったんですよね。それで、一緒に吸って世間話とかしたいな〜と思って、急いで所要を済ませて喫煙所に行きました。今思うと、これが僕の人生を変えたターニングポイントでした。
喫煙所に入って、彼女に「ライターないから貸してくれない?」と声をかけました。本当は持ってたんですけどね(笑)それで、どういうことが趣味なの?休みの日は何をしてるの?とか色々聞いて、「絵を書くのが好き」ということだったので、じゃあ今度見せてよ、という流れで、連絡先をゲットしました。その時はそれだけで、そのまま冬休みに入って、年末年始は特に何も動きはありませんでした。
年が明けて最初の授業の時に、彼女に予め連絡をとって、「授業の後、喫茶店に行かない?」と誘って、初めて二人きりで会いました。で、初詣にまだ行ってなかったので、一緒に行かない?と誘ったんですが、、彼女は「え、初詣ですか・・どこいくんですか〜」とかいいつつ、なにか考えているような、ちょっとよそよそしい態度だったんです。「あれ?これあんまり脈無かったかな」と(笑)結局約束は取り付けられなくて、初詣は行けずじまいでした。でも僕はやっぱりまた二人で会いたいなと思って、お昼とかお茶に誘ったりしたところ、それには来てくれたんですよね。今度は「あ、来てくれるじゃん」と。
そんなある日、まだ日にちも正確に覚えてるんですが、大学で試験監督の仕事をしてて、彼女から「今日って学校来てますか?」と連絡がありました。すぐに「うん、きてるよ」と返事をしたら、「この後時間もらえませんか?」と、初めて彼女の方から誘って来たんです。試験が結構長くて21時までだったので、遅くなるけどその後でも良い?と聞いたら、待ってくれると言うので、仕事後に急いで合流しに行きました。
冬の京都って寒くて・・彼女はレンガ造りの校舎の前で待ってくれていて。で、「何か話したいことあった?」と聞いたら、色々お話ししてくれました。
「実は私には彼氏が居るんです。やすのりさんに初詣に誘われた時に、彼氏がいるので行けませんって言わなきゃとは思ったんですけど、言ったらもう会えなくなるかもと思ったら言えなかったんです。」と。普通は好きな人に彼氏が居たらショックだと思うんですけど、その時の僕はそれよりも「そうか、僕のこと好きなんだ!」と嬉しさの方が勝ってました。じゃあどうすべきだろうと少し考えて「彼氏と別れろとは言わないので、時々会ってくれない?僕も君のこと好きだから」と伝えると、彼女はうなずいてくれて、、そんな健全とは言えない状態で関係がスタートしました。
楽しかった思い出: 二人きり、雪の中での幻想的なデート
それからは、僕から「この日に会って欲しい」と伝えて、彼女とデートみたいな会い方をするようになりました。手をつないで歩いたり。。京都って遊ぶところはそんなに多くなくて、特に学生が集中するところはかなりごちゃっとしてるんですが、そこで遊んでいると知り合いだらけなので結構見られちゃうんですよね。でも、そういうところでも普通に手をつないで歩いてたんで、「この子はもう僕との関係がバレちゃっても良いんだろうな」と思いましたし、彼女と正式に付き合うのも時間の問題なんじゃないか、とも考えてました。
彼女と出会うまでにも、僕はお付き合いした人はそれなりにいましたが、どちらかというと向こうが好きになってくれて、じゃあ付き合ってみるか・・みたいなものしかなかったんです。でも彼女とは、「お互いに好きになった」というのが凄く大きかったです。お付き合いが始まってから、「私も初めて見た時から気になってました」と言われて、お互いに一目惚れだったんだ!と、すごい舞い上がってました。しかも、これも後から聞かされたんですが、実は彼女と出会った例の授業には彼氏も来ていたらしいんです。(笑)リスク負ってくれてたんだな〜と嬉しくなりました。
色々行ったデートの中でも風景として一番覚えているのは、八坂神社へ散歩に行ったときです。八坂神社ってすごく広いんですが、裏の方にちょっと観光で来る人達では気付かないような山に登る感じのエリアもあって、二人でそのあたりへ行きました。2月の寒い時期なのでそれこそ誰も居なくて。で、途中で雪が降ってきて、僕がたまたま傘を持っていたので、二人でぎゅっとくっついてゆっくり歩きました。だんだん雪が強くなって、少し吹雪くくらいの中で、そこから街の風景が霞んで見えました。それが今でも瞼の裏に焼き付いてます。こんな幻想的な景色の中で、こんなにも好きな人と一緒に歩けるなんて、こんなに幸せなことってあるんだろうかと。
きっと、これが僕の人生の中で、何も考えず純粋に「好きな人と居られたら後はなんでも良い」と感じることができる最後のタイミングだったんじゃないかなと思います。大人になってからは、やれ収入だったり立場だったりと、色んな考えが邪魔する気がしています。
夢を投げ出してでも: 彼女のために就職することを決意
お付き合いを始めた頃は、ビジュアル系バンドをやりつつ大学院で教授を目指しつつという不安定な状態だったんですが、彼女と付き合うことで僕の意識も変わってきました。というのも、彼女はその時に大学3回生で就職に悩んでいて、、僕は就活したこともないから全然わからないなと。大学のレポート作成とかアカデミックなやつは頼ってくれたら僕もわかるので、そういうのは一緒に夜遅くまで研究室で手伝ってあげたりとかで楽しかったんですけどね。そんな中で、僕は彼女のことがものすごく好きになっていたので、この子と続けていくにはどうしたら良いのかなと真剣に考えた結果、教授になる夢もバンドで食べていく夢も諦めて、就職しようと決めました。すぐに就活用に髪も短く切って、就活することにしたと彼女にも告げました。
ただ、実は僕はその時に修士課程が終わるタイミングで、次の博士課程に進むということで教授にも手続きをしてもらっていて、既に進学が決まっている状態だったんです。よく言われるように、「博士課程まで行くと普通の仕事の就職は無いよ」という瀬戸際でもあったわけなんですが、とにかくいきなり就活ということで教授にも大変な迷惑を掛ける形になってしまって・・ただ、やっぱり僕は彼女のことで頭がいっぱいになっていたので、この子と結婚できるなら良いやとまで考えてました。
就活の結果としては、都内のとある会社に内定をもらいました。音楽関係でもなんでもなくて、本当に自分の夢を諦めることになりました。
印象に残っているえっち: 満たしてあげられなかったかも・・?
僕にとってセックスは、最初の1回は好き合ってる証として大事だなとは思うんですが、2回目以降はそんなに・・という感じで(笑)それにフィジカル的に筋力もあまりないし、疲れやすいので長時間できないんですよね。一方で、彼女は性欲強いと言ってました。今思い返すと、もしかしたらそういうところで満たしてあげられていなかったのかなと感じます。
なので、一番印象に残っているのはやっぱり初めの1回ですね。僕が引越しをするタイミングがあって、小さいしあんまりキレイとは言えないような下宿先だったんですが、その新居に彼女が来てくれて、その時にしました。彼女はお泊りセット的なものも持ってきていたので、彼女も「するんだろうな〜」と思ってたのかな。初めてはやっぱり凄いドキドキしましたし、幸せでした。
別れ: 現実解が消してしまった幻想
僕が就活を始めたタイミングからなんですが、なんか彼女がよそよそしくなっていったんですよね。それでも僕とは週1くらいは会ってセックスもしていて、彼氏の方とはほとんど会っていなかったみたいなんですけど、初めの燃え上がるような時期ほどには、僕に対する熱意はなくなったのかな〜と感じました。
ある日、彼女から「会うのをやめたい」と告げられました。どうして?と聞くと、「今更だけどやっぱり自分がやっているのは浮気で、彼氏に対しても僕に対しても罪悪感があるし、両方精算したい」ということでした。僕としては、まぁ罪悪感と言うけど、それは建前で、要するに僕のことがそれほど好きじゃないんだなと思いました。それでも僕はあっさり諦められず・・「確かに僕と君とは浮気相手という不確かな状態だったけど、それでも僕は決まっていた進学もやめて夢も諦めて、就活して内定ももらってるんだけど、それでも僕とは考えられないの?」と想いを伝えたんですが、彼女としてはそれが正直重かったようでした。もともと僕の中性的な見た目や、バンドをやってて大学院生でという「よくわからない」のを僕の像として彼女は見ていたと思うんですが、それがいきなり自分のために俗世に戻って髪も切って就職すると言い始めたのが、ある意味で幻想が解けたと言うか、重かったんでしょうね。
彼女とはそれきり、二人で会うことはやめました。
辛かった思い出: 別れてから引きずりまくった3年
もちろん、だんだん彼女が自分に対して積極的でなくなってきたりとか、そういうのも辛かったんですけど、その時はどちらかというとあんまり自分の中で気づかないようにというか、向き合わないようにしてたんですよね。一番辛かったのは、別れてからの1年位でした。他の男性も、結構引きずるのは普通だと思うんですが(笑)完全に立ち直るまでには3年位かかった気がします。
まず、全てを投げ売って彼女と一緒になろうとして上京もしてきたわけですけど、肝心の彼女が居ないので、ほんと僕は何のために生きてるんだろうと。少しでも紛らわすために一人で旅行に行ったり、なんならその落ち込んでいる間にもお付き合いしてる人も居たんですが、、その人には本当に申し訳ないんですが、あんまり本気になれなかったです。僕なりにはちゃんとそうしたお相手にも向き合っては居たんですが、やっぱりあの彼女の時に経験したような、燃えるような感じはなかったし、そういった人とは、自分の中でもちょっと怖いくらい冷静に、「これ以上一緒に居てもお互い幸せにならないと思うので、別れましょう」と言えてしまえるくらいの温度感でした。
それで、その期間中、ひとつマイブームがありました。「ドM飲み」と呼んでいて、ちょっとおかしいと思われるかも知れないんですが、、一人で彼女の写真を見ながらお酒を飲んで、失恋ソングを聞きながら思いっきり泣くというのをやっていました。もちろん最初は本当に悲しくてやっていたんですが、これを3年も続けていると、だんだんそれが楽しくなっていきまして。(笑)ある時、仕事が終わってストレス発散で泣きたいなと思って、「そうだ、ドM飲みやろう!」と考えた時に、これって自分の中でもうエンタメみたいな感じになっていることに気付いて、ある意味で彼女のことを昇華できたんじゃないかなと思ったんです。そこで本当の意味で一区切りついた感じがしました。
気づいたこと: 夢を仕事にする原動力をもらった
というわけで、ずっと好きだった音楽もやめて、夢だった教授も諦めて、東京で就職という結果だけが残って、ひとりで何も持たずに出てきた形になったんですが、そこで僕はある種の意地というか、プライドというか、原動力みたいなものができました。「絶対に音楽で食べてやる!」と。なぜかというと、別れ際に彼女に言ったことがあって、「僕は音楽を続けるから、いつか僕が作った音楽が君に届くかも知れないよ」的な、キザな別れ方をしてたんです。(笑)なので、一旦は普通に就職したんですが、それからがむしゃらに努力して、今はこうして音楽で食べていっているわけで、結果的には夢を叶えることができたんですよね。結構、仕事でメディアに名前が乗ったりするんですけど、その度に、どこかで彼女に見つけて欲しいな、と今でも本気で思いますね。
もし彼女に会っていなければ、あのまま大学院でバンドマンと教授の2つの夢をフワフワと追いかけながら、不完全燃焼な人生になっていたかも知れないですし、自分が変われたという意味では、もしかしたら結婚よりも大事な人生の節目だったかも、とも思います。たった3ヶ月ではありましたが、今でも二人の思い出を鮮明に思い出せます。よく「恋愛はどれか一つが最高ということではなくて、また将来もっと素敵な人と会うかもよ」という意見を聞いたりもするんですが、頭がおかしくなるくらい、燃え上がるように好きになったのは彼女だけですし、後にも先にも、僕が人生で一番誰かを好きになった瞬間だったという確信があります。
この思い出は、そもそもが浮気ということもあって、誰かと共有しにくいことだったんですが、何かの形で残しておきたかったので、こうしてお話しを聞いてもらえて良かったです。お読みいただいた方も、ありがとうございました。ご自身の経験とも照らして、何かを感じていただけていたら嬉しいです。
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